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肩こりと鍼灸治療(4)

肩こり
肩こりと一口に言っても、人により症状を訴える場所はさまざまです。
首や肩の上のほうよりも、背中(特に肩甲骨の内側)のほうがツラいというかたも多いと思います。

肩甲骨の内側には、膏肓(こうこう)という有名なツボがあります。
このツボについて、実は面白い逸話があります。

病(やまい) 膏肓(こうこう)に入る

中国の『春秋左氏伝』という書物に登場する話です。

晋の君主、景公が重い病気になり
隣国の秦から緩という名医を呼び寄せて、診察をさせることになりました。

※隣国から名医をわざわざ呼ぶということは、自分の国にはヤブ医者しかいないのか?

緩が到着する前夜、景公は不思議な夢を見ました。
夢の中には、2人の子どもが出てきて楽しそうに遊んでいました。
しばらくすると、なにやら慌てて相談をし始めました。

※この2人の子どもとは、病魔の姿を変えて現れたもの。

景公がこっそりと、その内容を聞いてみると……。

おい、隣の秦国から緩とかいう名医がやって来るらしいぞ!

うわっ、そりゃ大変だ!緩は凄腕らしいからなぁ……。

このままじゃ、俺たち退治されちゃうぞ。

ああ、困ったなぁ~。どうしよう……。

(しばらく考えて)そうだ!あそこがあった。

あそこって?

秘密の隠れ家だよ。ほら、肓(こう)の上、膏(こう)の下だよ。

そうか、あそこなら安全だね!

 

※肓(こう)は横隔膜、膏(こう)は心臓のわきの脂肪のこと。

鍼も届かないし、薬だって効かないところだからね。

それじゃ、夜が明ける前に急いで避難しよう!

翌朝、緩が到着して、急いで景公の診察しました。

診察が一通り終わって、景公が緩に病の具合を尋ねると
緩は顔を一瞬曇らせ、こう答えました。

緩:

病は、すでに肓の上、膏の下に入り込んでしまっています。
ここは鍼を刺すにはとても危険なところですし
薬も効果が届かないところなのです。
残念ですが、私でも手の施しようがありません。

緩の診断を聞いた景公は、緩に向かってこう言いました。

 

景公:緩よ、お前は噂にたがわない名医だ!褒美を取らすぞ。

膏肓というツボの見つけかた

膏肓というツボは、慢性症状を持つ患者さんには反応が現れていることが多い処です
また、ここを指で押さえられるとズシーンと奥のほうに響いたり
鋭く痛いという感覚よりもイタ気持ちよく感じ

「あー、そこそこ!」と声を漏らすかたも
ときどきいらっしゃいます。

肩こりの治療には、定番ツボの1つでもあるのですが、
プロフェッショナルである鍼灸師さんでも、このツボをちゃんと取りことができないかたが少なくないのです。

教科書的に書いてあるツボの位置は単なる目印(ランドマーク)で
本当のツボは、そのときの患者さんの心身の状態によっても移動し、ときには生き物のように動き回ります。

ない、このツボの見つけ方には、ちょっとしたコツがあります。

まず、座った状態でツボを探すことが大切です。
昔は正座が一般的でしたが、正座ができな場合には、あぐらや椅子に座った状態でも構いません。
ただし、両腕をだらりと下げた状態では、本当のツボにたどり着くことはできません。

実は、肩甲骨を開いた状態でツボを探すというのが最大のポイントなのです

(ちなみに、体育座りをしても肩甲骨は開きます)。